ゲーム「ペルソナ5」

persona5

貴方の心をいただこう!!

ペルソナライブ2015で本格的なPVが公開されてから発売を心待ちにしていたペルソナシリーズ最新作。
夢中になって一気にエンディングまで駆け抜けてしまいました。

シリーズ自体はP4Gから入った新参者ではありますが。
P4G発売直前当時、何の気なしに見に行った公式サイトが大変に魅力的で、気がついたら発売日にPSVitaとセットで購入していた、超能力とかチャチなもんじゃ(ry
今思い出しても不思議、ペルソナの公式サイトには不思議な魔力がある。

という経緯なので、待ちわびた度で言えば往年のファンには劣るかもですが、夢中になってる度では負けないぞ…などと鼻息荒く発売日に買い求めたわけです。

で、直接は関係ないんですけど購入直後にこっぴどく風邪をひきまして。
身動き取れず、行こうと思っていた東京ゲームショウも行けずにチケットを無駄にしまして。(血涙)
できることはもうゲームだけでしたので、祝日も活用して全力投球、きっかり80時間クリアでした。

というわけで以下ネタバレ全開で。

 

 

 

ストーリー雑感
〜囚われたちの叛逆の軌跡〜

抑圧された社会を、腐った大人を改心させることで変えていこうというのが本作の主軸。

主人公なんかスペック的には番長(P4主人公)とためを張るくらいリア充素質高いと思うのですが、前歴の流れといい大人や世間に恵まれず問題児にさせられてしまうという理不尽さ。
それだけに、大人を、世間を見返してやるぜ!!という衝動から物語が進んでいくのは没入度が高かった。

またダメな大人たちが実に典型的でシンプル。
獅童とか見た目からすでにお前のような政治家がいるか!状態だったんですがいくらなんでも大衆よ。
で、その獅童について、しょっぱなで池田秀一氏だと気がつかなかったのですが、エレベーターのシーンであれこれシャアじゃね?となり、演説シーンでシャアだ、これ黒幕だ!!となる流れは多くの人が味わったと信じたい。
ボス戦で完全にシャアの仮面、かと思いきや真の姿で筋肉ダルマというギャグ。

盗るか盗らないかでどの程度登場人物たちを悩ませるかというのは微妙な加減だったろうなと思います。
GOかNO GOでウダウダする場面はお決まりですし多少はありましたが、個人的には丁度いい塩梅だったかな、と。
後半は、身内がYESって言ってるんだしやったれ、くらいの勢いでしたしね。
全会一致の原則が割と効果的に機能していたというのもあるかも、動き出したら止まらないという爽快感が物語を引っ張っていた印象。

最後の敵は大衆、そして神殺し

人間社会にとってある意味究極の悪である悪徳政治家まで改心させるも、なお大衆の心は揺らがない、真の囚われは大衆であった、という最終盤の展開。
その根源にシリーズお約束のラスボス神が潜んでいたというのも、良い流れだったと思います。
P4はどうにもそこのところが唐突だった感がしていたので。

それにしても衝撃だったのはイゴール。
単純な声優交代による人物像の変化だと思っていたのに、まさか偽物だったから声や態度が違っていたのだとは。
本物の出番が少ないからアーカイブ音声でどうとでもできるというのはよく考えた…けどこれ意地でも田の中イゴールを貫く気なのか。(苦笑)

大人に、社会に、そして神に抗った怪盗団。
主人公が超覚醒として最後に最大の悪魔サタナエルを呼び起こし神殺しを為した、というカタルシスは実に素晴らしかった。
鎖を引きちぎり、銃でトドメを刺すという本作ならではの仕掛けも熱い、P4ラストのメガネ放り投げに匹敵する名演出。

発売前PVを繰り返し見ながら、一体どのあたりで使われるシーンなんだろうとワクワクしていたのですが、結構満遍なく…というか最後の方のムービーも使われてましたね。
主人公自殺報道のムービーとか、単体で見ても分かりづらいとは言え、PV#03の終盤でガッツリ見せてたのは豪胆。

RPGパート雑感
〜相変わらずのシビア難度〜

ノーマルとはいえ手強い手強い。
常にSP切れと戦っていた、あと金欠。

仲間が揃ってからしばらくは、物理で全体攻撃して控えが回復するという脳筋作戦でした、物理反射が出てくると迂闊に使えなくなる技だけど。
あと雑魚戦での状態異常は意識しておくと楽になりましたね、絶望させりゃガード連発で自滅するし、混乱させりゃお金を落とすし。
仲間のスキル枠が圧迫されるので見極めは必要ですがね…誰か理想スキル構成教えて。

最終局面では割と惜しみなくソーマ(HPSP全回復)を使いました、ラストエリクサー使えない症候群の自分にしては珍しい。
全編通して4個手に入ったうち3個消費してます。
・シドー・パレス、紹介状4枚目でガス欠。
 その後の明智戦を考えたら正解だった。
・シドー・パレス、ボス戦が長丁場だったので流石に使う。
・ラストボス、これもさすがに最後まで保たん。
で、クリア後に診療所で大気功パッド(ターンでSP回復のアクセサリー)が売ってることに気がつくわけですよ、これ買っておけばもう少し粘れたのでは…?

ADVパート雑感
〜利害の一致から生まれる絆〜

今回コミュ、改めコープが攻略面でも重要な意味を持っており、特に目を見張るのが以下。

・塔(織田くん)…銃撃によるノーコスト先制攻撃
・星(一二三ちゃん)…パーティー入れ替えと勝利報酬金額倍加
・太陽(寅之助さん)…交渉によるカツアゲ

これに限らず有能なものが多く、コープランク10で一部スキルを2週目に引き継ぐことができるので、もっときっちり上げておくんだったとだいぶ後悔しました。
寅之助さんなんか公職選挙法という超現実的な理由でリミット早いですし要注意。
あと悪魔(大宅)は罠だ、パレス警戒度とか知るか。

また節制(川上先生)は最終的に夜行動の制約緩和が起こるとのことで…。
12月に慌ててコープリクエストでメメントスボス10体抜きをこなしたものの時すでに遅し、コープランク9でお休みに入ったまま最終日まで先生がおうちに来てくれることはなくなったとさ…。(洗濯とかは普通にしてくれるのが余計もどかしい)

怪盗らしく、利害が一致する人としか取引をしないという縛りがシンプルでいいですね。
理由なく関係性を作らない、でも最終的に皆と確固たる絆で結ばれる、というシチュエーションは結構好み。

怪盗団の面々について
〜人物像と戦闘性能〜

ペルソナの仲間は皆魅力的ですが、今回も良いキャラが揃っていて良かったです。
記事トップに貼った、ソフマップ特典のメインビジュアルタペストリーを眺めながら、次に入りそうなキャラの性格を想像しながらプレイしてました。
得意スキルの属性被りがないので、永久ベンチになるような事態も無く、皆程よく活躍してくれたのもナイス。

竜司(スカル)
おバカな相棒ポジ。
チャージからのアグネヤストラで神の腕処理班として活躍。
シドー・パレスの脱出では漢を見せた、シドー戦でラストだと思ってたので、え、そういう役回り!?と本気で思いました、フルボッコやむなし。

杏(パンサー)
初登場は限りなくヒロインっぽかった、最初だけだった。
シドー・パレスでの英語はアレでいいのか、しかし段々と演技に磨きがかかっていったのは感慨深い。
耐久は脆いが、コンセントレイトからのマハラギダインで竜司と同じく神の腕処理班。
またデカジャ・マハラクンダは終盤重要になる局面が多いので、ここぞというところで役に立つ。

祐介(フォックス)
お控えなすって、またつまらぬものを斬ってしまった、と戦闘中のモーションが渋い。
ダウン取ってからの死亡遊戯、刹那五月雨斬りと熱い技が揃う。
事前情報では正統派イケメンだと思ったんだけど、初見で「アレ、なんかコイツおかしいな」となり、双葉加入後の掛け合いで彼を言い表す適切な表現にたどり着く。
すなわち、”変態”であった。

真(クイーン)
世紀末覇者先輩。
ペルソナがバイクだったり、合気道と称して大地を砕いたり、総攻撃カットが恐ろしすぎたり、鉄・拳・制・裁!!だったり。
中身は比較的まともというか、桐条先輩を庶民派にした感じなのになぜだろう残念美人感が拭えない。
戦闘面では全体回復とデカジャ・マハラクカジャに救われる場面も多く、迷ったらメンバーに入れておくという感じ。

双葉(ナビ)
マイベストヒロイン。
二週目では双葉ちゃんと特別な関係になって全力でイチャイチャするんだ…。
小動物系で気がついたら主人公にくっついている、最年少で泣き虫、脱ひきこもりの双葉頑張り物語、メガネっ子、サラダバー、と魅力たっぷり。
ペルソナの出自が特殊だったり、反骨心というより真実への探究心で動くP4の面々に寄っているキャラな気が。(この辺り後述)
ナビ役としてはアナライズ能力やサブリカバリーが控え目な一方、ランダムな全体バフ発動や奥義・ポジションハックが光る。
強敵相手にチャージ&コンセントレイトが発動した時の「勝った!!」感な。

春(ノワール)
美少女怪盗。
コープでのっけから器用さMAXを要求する鬼、でもいざ始まると展開は早いのが救い。
ほわほわした世間知らずなのにたまにお姉さんぶるの、いいと思います。
戦闘面では銃・念ともにハイブースタ習得するなど、意外と高火力な技が揃って見事に脳筋組。
強敵相手にワンショットキルでクリティカルを当てるのも熱いぜ。

モルガナ(モナ)
またクマと同じシャドウの亜種やろと思ったら微妙に違った。
心の中から生まれた存在ではあるが、まさかのベルベットルームの従者組とは。
戦闘面ではバリバリの回復、SPがあっという間に枯れる、脆い。
ノワールと一緒にミラクルパンチでクリティカルを狙うのもまた一興。

明智(クロウ)
つまるところ明智てめえ案件だった
パッケージにいる、コープが勝手に進む上にスキルが伏せられてる、いざ仲間になったら残りのコープ習得スキルが無い、コードネームがカラス、とコイツ仲間なのか敵なのかどっちなんだと思い続けてましたが見事に真っ黒でした。
モルガナのパンケーキを聞いていたくだりで初見からおいおいコイツ怪しいぞ、という感じだったのですが、それが物語上でもカウンターのきっかけとなったのは気持ちよかったです。
ペルソナがロビンフッドだったのは意外、隠し持ってた(というかポジション的には超覚醒)のがロキだったのもまた意外。
ブチッ!!の顔がP3P4のカッ!!と同じアングルなのが意味深、あと総攻撃フィニッシュのポーズなんだあれ。
散り際で同情せざるをえなかったので、マイナーチェンジタイトルで正式加入でも一向に構わん。

ペルソナ発現のメカニズム所見

余談。

双葉の覚醒が特殊、というか限りなくP4に近い発現の仕方をしていたので、なんとなくパターン化ができるかなと思ったり。

P5=己の中の闇と”契約”し、自在に操る。
P4=己の中の闇と闘い受け入れ、自在に操る。
P3=擬似的な”自殺”で己の心を御する。

ということのはず…P3かなり力技。(笑)
コロマルとアイギスはまた事情が異なりますがね。
アイギスはペルソナに機械の身体を与えた存在と説明できるのでしょうか。

さてP4とP5で異なる点を考えたのですが、「己の中のシャドウとどう向き合ったか」という部分が鍵なのかな、と。
P4は自己と内面との乖離に悩み相対し、想いをぶつけ合って受け入れる、というプロセスでした。
一方のP5は自己と内面の対峙というシーンはまず無く、”契約”という表現で比較的簡単に会得している節があります。
ただ対峙とはまで行かずとも、覚醒の際には一瞬シャドウとしての内面が表象しているように見えていることから、P5の怪盗団の面々は自己と内面に激しい乖離が無く、反骨心という内面を自覚していることでシャドウを引き出し、ペルソナへと変質させているのではないかと考えます。

で、怪盗団の例外、双葉。
彼女の場合自身のパレスへ入り込むことで己のシャドウと引き合う形となり、お互いを受け入れることでペルソナとして覚醒させているように思えます。
つまり双葉は、己のシャドウを暴走させることなく受け入れた、P4とP5のペルソナ発現の狭間のような存在なのかな、と。

つまるところ何が言いたいかって、フタバ・パレスの存在を知った時に、めっちゃP4だ!ってなった、それだけ。
逆にP4のダンジョンは、仕組みは異なるものの城主の歪みから生まれたという意味では、彼らのパレスと言えるのかもしれない。
この辺りの微妙なつながり、P4UやPQのようなクロスオーバー作品が今後出る際には触れてくれると嬉しいですね。

全ては認知の産物である

重要なキーワードとして度々語れる”認知”。

ラスボス後のモルガナの発言、「人は個人の感覚で世界を見ている。絶望的な状況でも、他者の感覚・世界の力を借りれば道は拓ける。」というメッセージ性の強いセリフは心に刺さるものがありました。
ある種この物語、様々な要因で鬱屈した現代社会に対し、風穴を開けたいという意思が込められた作品だったのかもしれません。

銃が強調されていたのもなんとなく象徴的な感じ。

 

という訳で、とっ散らかった感想ですがペルソナ5でした。

みっちりプレイしていたので Last surprise (通常戦闘曲)が頭から離れてくれない(笑)、次のライブは5の楽曲も加わる事でしょうし大変楽しみです。
また先にも述べたように、スピンオフ作品にも期待。
シリーズ他作品とのクロスオーバーも是非続けて欲しいですね、認知訶学の設定は影時間やマヨナカテレビの設定と結ぶ事が出来そうですし。

ペルソナ20thフェスも気になりますねえ、まったりできるイベントだと嬉しいのだけれど。

 

プレイヤーを、抑圧された何かから解き放ってくれる一作。
ぜひとも多くの人と語り合いたい作品です。

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